ぴょこんとハコから飛び出したツギハギの不思議なモノたち。
その姿は、どこか私やあなたにも似ているかもしれない。

アートドールを手にしたオーナーたちは、皆その体験を出会いとして語る。偶然にも出会ってしまったから。なぜか目が合ったから。モフモフや、すべすべや、丸かったり、とんがったり。様々な材質や形や性格がツギハギされ、ひとつひとつ異なる個性を持った存在たち。何が出るかわからない偶然のびっくり箱（ジャック・イン・ザ・ボックス）からたまたま飛び出て出会えた奇跡。

幻妖商会 はアーティスト流音による造形ブランド。妖怪、狐、猫、そしてモフモフした不思議なモノ。シンプルかつ愛らしいフォルムが多様な動物を愛する観察眼や豊富な知識から生み出される。

MARWY はアーティストの miwa による造形ブランド。いっぱいの目や部位がキメラ的にくっついた体。様々な布や小物で着飾った姿。その奇妙な造形は不思議と人を惹きつける。

誰かの手の中に迎え入れられたドールは、ときにふわふわとやさしく、ときに凛として静かにその人と寄り添う。額縁に収まって鑑賞される作品とは異なる、寄り添ってともに暮らすというもう一つの芸術との付き合い方がそこにある。

（Gallery 幻・代表 小林義和）