ART / 写真 公募展

セルフポートレイト展
私がわたしを撮る理由 3

2014年9月13日(土)~9月27日(土)

休廊日 17(水)、18(木)、24(水)
時 間 15:00~22:00
作 家 akameganegirl 雨宮里江 井川和希 遠藤慎一郎 小池菜摘
    相良拓哉 SION しづく 書庫トヲル 0311 たかはし としお
    深沢玖美 marshaloop もいもい 杳芽具見 四月一日真白
審査員 口枷屋モイラ 林和美 三橋コータ
    小林義和(幻代表) 艶子(幻店長)

関連イベント
 9月27日(土) 19:00~:審査結果発表&クロージングレセプション
 >結果発表の模様はUstreamで生配信します

※最終日27日は、18:00で投票を締め切らせていただきます。

 

「自分を撮る」を問い直す写真展

カフェギャラリー幻公募展「私がわたしを撮る理由」は来場者による観客投票制の展示です。

それぞれの写真の横にセルフポートレイトを撮る理由も掲示します。総合得票1位の方には個展権利が、ほか特別賞などもあります。

比較される事は恐ろしいかもしれませんが、順位を競うだけの展示ではありません。スリリングさと同時に、生の意見をもらうこともあるかと思います。身体中で嬉しさ、悔しさも体感できる企画です。昨年の第2回では、結果発表で悔し涙、嬉し涙を流す方、笑顔で抱き合う方もいらっしゃいました。

「どうせ自分なんて……」と応募に躊躇する方もいるかもしれません。私艶子は2006年から携帯(当時200万画素)で写真を撮り始めました。その頃、写真を発表するネットの中のみで「艶子」は生きていました。ある日、ネットから飛び出し、携帯の中の写真をプリントするだけで自分がまた違って見えました。今の時代の流れも楽しく、スマホで撮る写真も一眼レフも変わりなく魅力的な写真は多いと私は思います。上記の告知写真もセルフタイマーアプリを使いiPhoneで撮りました。

ソーシャルメディアの普及で「自撮り」を見ること・撮ることが日常化し、昨年海外では「selfie(セルフィー:自撮り)」が流行語となりました。似たような写真に溢れ、時にはヌード写真に「なぜこんなにも簡単に脱ぐのか?」と疑問を抱いています。繋がりたい、自分の存在を知って欲しい、自分を客観的に見ることでの肯定・解放など様々あると思います。その一方で全く異なるセルフポートレイト、自撮りも目にします。ジャンル、性別、年齢、あらゆる垣根を越えてたくさんのご応募をお待ちしております。

自分を撮るあなただけの意味と意志を提示して欲しい。
「あなた」が「あなた」を撮るのはなぜですか?

(艶子/カフェギャラリー幻店長)

 

▼過去の内容はこちら
> 「私がわたしを撮る理由 2」(2013年)
> 「私がわたしを撮る理由」(2012年)

投票結果 発表

■観客投票人数:257名  ■有効投票数:1560票(審査員票を含む)

 

総合得票 順位

1位: 小池菜摘(223票)

・口枷屋モイラ(10票)
生命の強さをただただ感じました。今までの生き様が作品にあらわれていると感じました。小池さんの作品をもっともっと見たいと思いました。

・小林義和(3票)
一般にセルフポートレイトが「私」自身を重視しがちな中、「私」を基点にしてより深い問題を捉えており、優れた作品でした。また、同じ境遇にある他者ではなく、自らがまず写真に写るところから始めるという覚悟・発想が、セルフポートレイトの必然性や新たな価値に繋がっているように思いました。

・三橋コータ(1票)
ベスト問題提起賞! 正直、かなり迷いました。生半可な気持ちで私などが評価をしていいのだろうかと。ステートメントの「わたしが生まれてからずっと身につけているこの皮膚の存在価値を認めてやる」という言葉に強い意思を感じました。相当な葛藤があったことは想像に難くありません。自分自身を認めるというプロセスに深く感銘し、評価させていただきます。

 

2位: たかはしとしお(220票)

・小林義和(4票)
「セルフポートレイト」は自分を撮るものですが、逆に言えば、そこに自分以外の何を写すかで内容が決まると言って良いと思います。その視点が明確にあり、空間の中で自分を活かし、自分も空間を活かすという思考と、その上でなお自分を消していくような写真に、「セルフポートレイト」というものの可能性を感じました。

・林和美(2票)

・艶子(1票)
郵送搬入の開封時に思わず「わぁ」と声を漏らしました。見ていて気持ちが良い、ずっと見てしまう、癒されるセルフポートレイトは初めてでした。ありがとうございました。

 

3位:書庫トヲル(141票)

4位:雨宮里江(132票)

5位:杳芽具見(123票)

 

審査員特別賞

口枷屋モイラ 選: 該当なし

林和美 選: 該当なし

三橋コータ 選: たかはしとしお

「自分が居ることで、その空間が活かされるのではないか。その空間がある事で、自分が生かされているのではないか」素晴らしいコンセプトであると感じました。場所と自分との関係性、自分が写真を撮る事で空間に意味が付与されるという考えに深く共感し、特別賞を贈らせていただきます。

小林義和 選: しづく

写真だけでなく「写真を見る行為」全体を通して楽しむ、作家ならではの作品でとても魅力的でした。ちょっと気づかないようなところに写真が挟んであったり、文章・色合い・紙質・香りと、細かい部分まで手が込んでいて、統一された世界観が心地良かったです。また、写真そのものも色合い・構図・コラージュ・テーマなど完成度が高く、一枚ずつを取り出して飾っても作品としてきちんと成立しており、感嘆しました。もっと見てみたい、もっと体験したいと思わせる作品でした。

艶子 選: 相良拓哉

大きく4点を入れたのは「これから」を見たい、更にずっと見たい気持ちを与えてくれた事。続けていく中でストレートだから敵を作る事もあるでしょうし、自分の表現を制限されてフラストレーションが溜まる事もあるかもしれません。そんな時が来ても闘って欲しい。身体ひとつ、ストレートでヒヤヒヤする危うさが私に似ている気がしています。黒と白の光の使い方が好きです。

艶子 選: 四月一日真白

自分がモヤモヤしていた気持ちが明確になりました。私は「何かにならなければ、意表を突かなければ」焦っていました。自分の気持ちを尊重せず、見る人の気持ちを揺さぶりたい!と上辺だけの大袈裟なインパクトにまかせた写真を撮っていきそうな危うさにも気付けました。2人の真白さんの目線に自分を見抜かれビクビク出来ました。シンプルな額に入り、対照的な二つの真白さん。言葉と同時に身体いっぱいに押し寄せてきました。変幻は見る人を驚かせたと思います。真正面からの写真はずっと残る1枚になっています。写真や様々な制作で壁にぶち当たる人達に勇気や許しや迷いを捨てる、何よりも大切な「撮りたい」という気持ちを与えてくれたと思いました。

 

本選選出者 出展作品(五十音順)

akameganegirl

井川和希

遠藤慎一郎

SION

0311

深沢玖美

marshaloop

もいもい

出展作家

 

akameganegirl / あかめがねがーる


© akameganegirl

広島にて活動中

2013年 個展『ヒカリの記憶』 rock'n jam
2014年 個展『傷愛』 一楽章 ギャラリースペース

主にセルフポートレイトを中心に作品づくりをしています。浮遊感やアンニュイな雰囲気を好み、作品に取りこみながら制作しています。

■私がわたしを撮る理由

わたしは自分に自信がない
外見は人並み以下
血色が悪く、いつもダルそう
とくにこれといって特技があるわけでもない
飽きっぽく物事があまり長続きしない
苦手なことや人は極力避けようとする
けっこう適当

悪い所ばかりが思い浮かぶ
良いところは?って聞かれたら答えられない
顔はとくにコンプレックスだ
メイクも下手だから、そんなに化けれない

なぜセルフを?

写真は真を写すと書くが、わたしは写真に普段とは違うわたしを写す

でもやっぱり普段のわたしが完全に消えるわけはなく面影が残る

普段は全く色気はない
でもわたしは女性らしい色気のある女性になりたい
だから写真の中だけでも色気のある女性になっていたい

生きていると色んな人に出会う
日々の生活の中で不安や恐怖というのは溢れている
わたし自信、不安や恐怖を感じることは生きてきた中で沢山ある

わたしが感じてきた感情を写真という形で表す
わたしという被写体を使って

わたしの想いはわたしでないとダメなんだ
たとえ、自分が嫌いだったとしても
わたし自身で表現したい
だから、これからもわたし自身を撮り続ける

Tumblr: http://akameganegirl.tumblr.com/

 

雨宮里江 / Amemiya Rie


© Amemiya Rie

1982年 神奈川県川崎市生まれ
2000年からデジタルカメラを使い独学でセルフポートレート写真を始める。創作の傍らブライダルフォトやポートレート写真などの仕事を経て、現在は作家活動を中心に都内や海外などで活動をしている。近年では写真講師や、モデルを使った作品制作も開始している。雑誌掲載、コンテストや海外コンペなどでの受賞も多数。将来的には写真を通じて、多くの女性へのセラピーを行いたいと考えている。
※随時、撮影のご依頼を承っております。ご相談、ご用命はHPサイトのメールアドレスまたはFacebookメッセージにてご連絡ください。(アーティスト写真、ポートレートなど)

受賞歴等
1999年:世界エイズポスターコンテスト最優秀賞
2002年:エプソンカラーイメージングコンテスト審査員賞(森村泰昌)
2013年:アサヒカメラ月例コンテストモノクロ部門5位、組作品部門入選
2014年:PX3 PRIX DE LA PHOTOGRAPHIE PARIS プロフェッショナル/セルフポートレート部門 銅賞2部受賞

雑誌掲載
日刊ゲンダイ/日刊スポーツ/神奈川新聞/ラジオ日本/月刊カメラマン2014年5月号「カメラマン最前線」

展示会歴
2001年4月 下北沢ギャラリーGeki 初個展「MIND」
2002年3月 下北沢ギャラリーGeki 個展「Message」
2002年8月 下北沢ギャラリーGeki 個展「Hazard of Mindー或る脳内の廃室ー」
2002年11月 渋谷ギャラリールデコ グループ展「私は水です」
2002年11月 Tokyoビッグサイトデザインフェスタ出展
2003年1月 銀座 羅針盤 企画グループ展「異色の写真家達」
2003年3月 銀座 羅針盤&エプソン協賛グループ展「ピエゾ博士の展覧会」
2003年6月 渋谷ギャラリールデコ 個展「鏡界」
2003年11月 Tokyoビッグサイト GEISAI出展
2004年4月 下北沢ギャラリーGeki 個展「赤い部屋」
2004年6月 ライブハウス下北沢屋根裏 アーティストとライブコラボレーション(作品展示、撮影)
2004年8月 ライブハウス下北沢シェルター アーティストとライブコラボレーション(作品展示、撮影)
2004年9月 埼玉近代美術館 二人展開催
2005年8月 渋谷ギャラリールデコ 個展「黒空」
2006年2月 池ノ上 現代ハイツギャラリー 個展「Gemini」
2006年7月 NYに単身渡米。写真家のayakamayと撮影コラボレーション
2006年8月 渋谷Art Bar ARAQ グループ展「人間展」
2007年7月 原宿K.Sギャラリー 個展「Silence Doll」
2008年9月 TokyoビッグサイトGEISAI#11 グループ展「Negative Art展」
2009年1月 銀座ヴァニラ画廊 企画グループ展 乙女のエロティシズム展「スウィート・セクスアリス」
2009年1月 NY Ouchi Gallery「100Artist Exhibition」
2009年5月 池ノ上 現代ハイツギャラリー10周年記念グループ展「A trace of 10years in gallery Den」
2010年8月 ARTiSM FESTA 2010 SUMMER MONT★SUCHT出演
2010年7月 Midnight★Mess -Seileen EP"Requiem D-moll"Release Party(作品展示参加)
2010年10月 NY Ideal grass gallery "Mad Supper"(作品展示参加)
2010年11月 渋谷ギャラリールデコ 個展「CRoW'S JoKer」
2011年5月 銀座ヴァニラ画廊 企画二人展「華蝶月香」
2012年2月 池ノ上 現代ハイツギャラリー グループ展「大人写真部ーそれぞれの視生ー」
2014年5月 渋谷ギャラリールデコ 個展「女蝶標本」
2014年8月 CLUB KING / ディクショナリー倶楽部 千駄ケ谷 OPPAI展参加

■私がわたしを撮る理由

「あなたは、食事を摂る事に理由が要りますか?」
何故あなたは自分を撮るか?そう訊かれた時、思わず口から出た言葉だった。生きる事、食べる事、眠る事、セックスする事、それぞれに理由があるのかもしれない。けれど、最初に在るのは「衝動」ではないだろうか。

自分自身を追い始めた19歳。そこに理由などあっただろうか。

そもそも、理由とはなんであろうか。それはただ、目の前に現れた疑問に対する人の興味や自分自身を納得させる為の一つのツールにしか過ぎないのかもしれない。衝動や本能に理由などない。 人生とは何か? 自分とは何者なのか? その先に在るのは何であるか? 何故人は「理由」を欲するのか? つまりは、万物において「理由のないもの」など存在出来ないからだ。

反転した虚像の境界を、シャッターで繋ぐ度に一つ答えが見える。この行為そのものが、私が生まれ来た「理由」になっているのだと。

Website: rieamemiya.com
Facebook: Rie Amemiya

 

井川和希 / Igawa Waki


© Igawa Waki

1993年生まれ、東京都出身。

■私がわたしを撮る理由

私がわたしを撮る理由、それは時を止めたいからである。いつまでも無垢な子供でいたい。何にも知らずに生きていたい。豊麗線も白髪も腰が曲がることも怖くて仕方ない。私は時をかける少女ではなく、時が止まった少女でありたい。ババアなんかになりたくない!

Tumblr: Waki Igawa's Photograph

 

遠藤慎一郎 / Endo Shinichiro


© Endo Shinichiro

旅や海が大好き。ダイバー。
趣味の旅を中心に風景写真を撮っていたが、2012年に「東京写真教室 Photons***」が開校されると共に入校し、本格的に写真を学び始める。蛎崎洋主催「東京写真教室 Photons***」の1期生であり、現在2年目。

2012. 沖縄県 風景写真部門公募 最優秀賞受賞
2013.8 Photons*** 「Colors of life」出展
2014.6 PhotonsArtGallery 公募展「ましかく展」出展
2014.6 フォトテクニック主催 第3回私的写真選手権 Photogenic賞受賞
2014.9 Photons*** 「Colors of life2」出展予定

■私がわたしを撮る理由

自分らしい写真とは何か?を探求中に、ふと自分自身をまず良く知るべきと思い、自身を撮るに至る。

アラフォーおっさんが自撮りを始めた頃は、自分自身の顔を見ながらレタッチするのは勿論、見る人の事も考えると「見るに耐えない!」とか思っていたが、自分の感情を表現するには他人では成立しない自分自身を表現の一部として存在させている事が必要だった。

セルフポートレートは究極の自己表現。

Facebook: 遠藤慎一郎
Blog: カメラBLUES
Twitter: @Nyutou

 

小池菜摘 / Koike Natsumi


© Koike Natsumi

1986年大阪府生まれ。13歳のとき祖父の影響で写真をはじめ、2012年より写真家となるべく活動をはじめる。

2013.6 二人展with古本実加「女の白と男の黒」
2013.6 イベント出展「UNKNOWN WORLD presented by thREAD」
2013.9 御苗場vol.13関西
2013.12 二人展with小林健司「hopeful loss」
2014.4 リアルポートレートNEXT
2014.9 御苗場vol.15関西

"Gazing people and living a time" (人をみつめ、時を残す)をテーマに人物写真を撮り続け、現在は夫の故郷である岐阜県中津川市にてすべての命在るものを撮り続けている。

■私がわたしを撮る理由

私の記憶の限り、わたしよりも汚い皮膚をした女性を街中で見たことがありません。しかしわたしは知っています。身体のあらゆる関節に湿疹が伴い動くこともままならないひとがいることを。世間から汚いだの自己管理がなってないだの罵られ、社会的に虐げられたことによって死を選ぶひとがいることを。

アトピー性皮膚炎は原因がわからず根本的な治療法が未だ確立されていない病気です。近年患者数が増え、もしかしたらお友達に・家族に・社会の中で、目にしたことがあるかもしれません。それでも未だ症状によっては理解が得られず、今日も様々なところで様々な人間によって「気持ち悪い」と思われています。

誰が好きで自らを傷つけ、自身で美しいと思えないような造形に変えるでしょうか。わたしが生まれてからずっと身につけているこの皮膚の存在価値を認めてやるとともに、同じく悩んでいるひとがいたらアトピーの写真家として命在る限り、この謎の現象を撮り残して生きたいのです。

まずは、自分を見つめるところから。

Facebook: Photographer Natsumi Koike
Twitter: @natsumikoike
Tumblr: natsumikoike.tumblr.com

 

相良拓哉 / Sagara Takuya


© Sagara Takuya

東京でセルフポートレートを主に写真活動を行っております。

■私がわたしを撮る理由

生きる事は自分とそれ以外との戦争だと思ってます。
それぞれがそれぞれの戦争の真っ只中で
銃で撃たれ、ボロボロになっても
それでも生きていかなければなりません。
その中で僕は、自分の存在を証明したい。
この戦争で自分が生きている、という証を遺したい。
世の中は不確かなもので溢れてるから
自分の存在さえも、不確かに思えてしまうから
写真に遺したい。
そしてそれを誰かに見てもらいたい。
僕は確かにここで生きていると
この戦争の中、必死で生きようとしていると

この戦争で、自分という存在を深く遺したい。

Twitter: @Sagara_T
Tumblr: Takuya Sagara

 

SION / シオン


© SION

サウンドクリエイター。
PCゲームの主題歌やBGMなどを数多く手掛けるロックバンド『Rose & Rosary』ボーカルとして活動中。代表作として『北斗の拳 激打MAX』『仮面ライダーBJ』など。
日本中の廃墟探索を趣味とする廃墟マニア。カメラど素人。

■私がわたしを撮る理由

私が好きだと感じる場所や瞬間、そこにはいつも自分以外、他に誰も居なかったからです。

応募の動機としては、10年近く趣味で廃墟をメインに写真を撮り溜めて来ましたが、自分の写真に特に深い意味があるとは思えず、また、自信がある訳でもなかったので、これまでどこかに自分の写真を出すと言うことを考えたことがありませんでした。しかし、なんとなく、『自分の写真を出さない』と言うことは誰とも関わらずに自宅に篭っているのと同じことかなと、ふと思ったので。

本展のステイトメントにあるように、『似たような写真に溢れ、簡単に脱ぐ』こと、それらの深層にあるであろう他者の評価を得たい葛藤。『他人の目を気にするあまりに抽象的な概念の塊となってしまい、個としての自分を失っているように見える人々』の存在と、 そしてそれが漠然と『アート』の一言で片付けられていくのを見るたび、逆に、私の写真の中の私は小さく弱く、主張がなくなっていきました。

自分の写真を見つめてきた10年間、同時に世の中のセルフポートレートも見つめてきたわけで、その過程でやはり私は漠然とした社会に対する憤り、自分なりの思いがあったのだと思います。

一度、自分の撮った写真を世の中に出すことで、改めて自分が辿ってきた道を振り返りたいと思いました。

Twitter: @RR_SION
Website: SION OFFICIAL WEB

 

しづく / Shidsuku


© Shidsuku

万年憧憬家。
何も考えないことを続けていきたいような、何か考えられる自分であり続けたいような。同時には手にすることはできないものを生まれてからずっと求め続けています。

■私がわたしを撮る理由

写真を撮ることが好きです。
誰かの表情を切り取ること。

絵を描くことが好きです。
脳裏によぎった幻影を吐き捨てること。

写真によって妄想が吐き出されるとき。
誰かに表情を殺して私のパーツに成ってとは頼めなくて。

私はわたしを使って幻視の構図の再現を試みています。

 

書庫トヲル / Shoko Toru


© Shoko Toru

1993年生まれ。田舎在住。
10代の頃に撮影会モデル、ヘアメイクモデルなど経験。2013年より書庫トヲルとしてセルフポートレイトのみでの活動を始める。その中でセルフ写真+自作のジオラマを使い合成なしのアナログな作品を生み出す。

■私がわたしを撮る理由

私はわたしになりたかった/祈りと願いで自己完結された世界に籠るため。

Twitter: @toru_shoko
Tumblr: melancholia
Blog: 制作ブログ「しょこうさくにっき。」

 

0311 / ぜろさんいちいち


© 0311

「0311」は笠原小百合(被写体、コンセプト&構図決定、シャッター係)とyuichi(三脚、構図微調整係)から成るセルフポートレイトユニットです。

笠原小百合 / kasahara sayuri
東京都在住。写真好きな小説書き。写真は主に女性ポートレート作品を制作・発表・展示して活動している。WEB文芸誌「窓辺」(http://madobe.jp)編集長。普段はバイト戦士、兼、主婦。

yuichi / ユウイチ
プロの三脚。普段はSoftware Engineer。

■私がわたしを撮る理由

「0311」は夫婦のセルフポートレイトユニットです。
「0311」というユニット名を付けたのは、3月11日がわたしの誕生日、二人の結婚記念日、日本人が忘れることの出来ない大震災が起こった日であり、そのすべてが『変化の日』だからです。生命の誕生、新しい家族になるといったプラスの変化と、日本を闇に突き落としたマイナスの変化。そのどちらの変化も、今のわたしを語る上で欠かせない大きな変化です。「0311」にはユートピアもディストピアもどちらも存在しています。わたしが生まれたことは、yuichiと結婚したことは、あの大震災は、果たしてユートピアのはじまりなのかディストピアのはじまりなのか。そして、今、この瞬間はどうなのか。そんな問いかけを自分自身に常にしながら、シャッターを切っています。

三脚という大事な役割をyuichiに任せたのは、今のわたしはyuichiなしでは成り立たないからです。それは、決してひとりで生きられないからではなく、ふたり支え合う人生を選んだということの表れです。今まで撮ってきたひとりきりのセルフポートレイトではなく、「0311」の作品はわたしたち二人がひとつになった時にはじめて完結するセルフポートレイトです。永遠に続く共同作業。結婚式のケーキ入刀のつもりで、作品をつくっています。これからも、つくり続けたいです。(笠原小百合)

Twitter: 笠原小百合 @sayuspi

 

たかはし としお / Takahashi Toshio


© Takahashi Toshio

1987年生まれ。静岡県在住。2013年から本格的に写真の世界にのめり込む。風景、ポートレート、スナップ、デジタル、フィルム…ジャンルや手法に縛られず、写真の可能性について追求している。

■私がわたしを撮る理由

もともと、現実を非現実に変えてくれる空間が好きでした。 その空間に出会った『感動』を表現するために写真を撮り続けています。

自分が居る事で、その空間がより活かされるのではないか。 その空間がある事で、自分が生かされているのでないか。

わたしを撮るという事は、私が感動した空間に対する表現の一つであり、感動した私を写す表現でもあります。

Website: Mistpia
Twitter: @gikanobi

 

深沢玖美 / Fukazawa Kumi


© Fukazawa Kumi

発禁カメラ女子。2012年9月よりエアダッチと一緒にセルフポートレイトを撮りはじめ、年に数回グループ展などに参加。職業は保険会社の事務。

■私がわたしを撮る理由

それは誰にも言うつもりはありません。

Twitter: @kafumizawa

 

marshaloop / まーしゃるーぷ


© marshaloop

main model: 魔法少女元帥 / mahoushoujo gensui
main camera: ぐるり / gururi

魔法少女元帥、ぐるりの2人による創作写真ユニット。2012年名古屋にて活動開始。魔法少女元帥がモデル、ぐるりがカメラを務める形での撮影を中心としつつ、セルフポートレートを交えた作品をWEBにて公開中。

活動歴
2013年8月 「私がわたしを撮る理由2」2位と窓辺賞を受賞。
2014年2月 個展「私があなたであるために」
2014年5月 「REAL PORTRAIT NAGOYA NEXT」NEO ALFALINE賞受賞

■私がわたしを撮る理由

marshaloopの写真は鏡です。

marshaloopの写真の中に「自分」を見てほしい。写っている私たちの中に「こうなりたかった」「自分もこうだった」「私もこうなりたい」と、あなたを重ねて見てほしい。あなたに感じてもらうこと、重ねてもらうこと。そうして私たちの写真が鏡になって、あなたを写し出して、ようやく、marshaloopの作品は完成するのです。

元帥とぐるりがお互いを撮り合うことと、2人でセルフポートレートを撮ることは同じです。だって、私たちはお互いが鏡で、あなたを写す鏡でもあるから。

Tumblr: http://marshaloop.tumblr.com/
Twitter: 魔法少女元帥 @limepick
Twitter: ぐるり @camegloop

 

もいもい / Moimoi


© Moimoi

全部全部吐き出して
そうやって息がしやすくなったから
その分だけ、愛をこめて。
人間らしく、ブレたもえを表現するの。

■私がわたしを撮る理由

合法化。
非合法な 見えないすべて
あなたに愛してもらおうとおもって

見えないくせに

つて 笑っているの。

Twitter: @iscreamoimoi
Flickr: iscreamoimoi

 

杳芽具見 / Yoh Megumi


© Yoh Megumi

9歳より写真を撮り始める。
1999年頃より本格的に傾倒し始め、グループ展やイベント参加、カフェでの作品販売などの活動を行う。その後、自らの死に纏わる出来事から数年ほど活動を離れていたが、2014年よりセルフポートレイトとフォトグラムを軸にした制作を再開。

■私がわたしを撮る理由

それは「なにものも明確にしないためのセルフポートレート」の為。白であることも、黒であることも、灰色であることも、全てが許される為に。明確であることも曖昧であることも、全てが許される為に。時間の境目、自他の境目で、どこにも立てないことも、許される為に。過去と今、私とその他、植物と動物、光と陰、夢と現、生と死。どちらかであることも、どちらでもないことも、そこにあるということだけが貴方の、私の、それぞれの真実であるということ。

「なにものも明確にしないため」に、私はわたしを撮り、過去の陰影に重ねていきます。そこに境界線が見えるでしょうか、見えないでしょうか、意味を感じるでしょうか、感じられないでしょうか、果たして何色に見えるでしょうか。正しい解答などなくていい。ただ、そこにあるということだけが、貴方の、私の、それぞれの許された真実だということを写したい。それが私の理由です。

Twitter: @limuco
Tumblr: ignotanote
Instagram: limuco

 

四月一日真白 / Watanuki Mashiro


© Watanuki Mashiro

2007年カメラマンとのコラボレートで被写体を始める。カメラマンと相談しながらテーマ、ロケーション、衣装などを企画し、加工、編集は自身で行う。 2008年セルフポートレートを始める。

■私がわたしを撮る理由

自分の写真を撮ることは自慰行為に他ならないと思う。自分が気持ち良くなるためにやっている。

私は自慰行為をたくさんの人に見てもらいたい。気持ち良くなっている私を見てもらいたい。見られることでもっと興奮して気持ち良くなれるから。見ている人にも気持ち良くなってもらえたら、興奮してもらえたら、こんなに嬉しいことはない。

第一回「私がわたしを撮る理由」出展後、撮る理由が分からなくなって、写真を撮らない時期があった。探し物がどうしても見つからず、何を探しているのかすら忘れてしまった気分だった。それでもただぼんやりと「撮りたい」という気持ちだけが残った。

理由が分からず苦しみ、撮れなくなるぐらいなら、理由なんて考えないほうがいい。苦しかったのは、写真を撮ることで何かになろうとしたり、何かを得ようとしていたからだ。その先を見過ぎて、撮りたい自分を大事にしていなかった。

被写体として耐えうる容姿も、撮ることができる時間や金銭の余裕も、撮りたい気持ちすら、明日にはすべて無くなっていてもおかしくない。ならば、何を迷うことがあるだろう。

何かになれなくても、何も得られなくても、撮りたい気持ちを信じて、これからも自分を撮っていく。

Website: 赤裸々Pa4マй素

審査

 

1次審査

参考作品画像と「私がわたしを撮る理由」の文章を審査の上、出展者約12名を決定させていただきます。

■1次審査 審査員
 艶子(写真家、カフェギャラリー幻店長)
 小林義和(イラストレーター、カフェギャラリー幻代表)

■結果発表日
 8月21日(木)を予定
 ※応募いただいた方全員にメールでご連絡させていただきます。

 

本選

来場客と審査員の投票により入賞者を決定します。

※投票方法を昨年と変更しました

■観客票
 1~3位の作品を必須選択。
 1位に3票、2位に2票、3位に1票を配当

■審査員票
 1名につき10票を任意に投じる。作家一人への複数票も可
 ※審査員の詳細は次項参照

 

■得票1位 賞品/カフェギャラリー幻での無料個展開催権

■得票2位 賞品/カフェギャラリー幻のカフェ券2000円分

■得票3位 賞品/カフェギャラリー幻のカフェ券1000円分

6位~12位は、作家本人にのみ順位と得票をお教え致します。

■審査員特別賞
 口枷屋モイラ賞
 林和美賞
 三橋コータ賞
 店長賞 賞品/カフェギャラリー幻の企画展参加権
 代表賞 賞品/カフェギャラリー幻の企画展参加権

審査員

 

口枷屋モイラ / Kuchikaseya Moira


© Kuchikaseya Moira

写真家/デザイナー
2003年より「Nerd & Fetish」をコンセプトにしたセルフポートレイトを制作。代表作は写真漫画「口枷少女モイラちゃん」過去の展示に「口腔宮-oralmaze-」「少女ロイド」など

Website: http://selfer.net/moira/

 

林和美 / Hayashi kazumi


装幀写真家、ギャラリー「NADAR」主宰。
日本図書設計家協会会員
三重県生まれ。大阪芸術大学 芸術学部 写真学科卒業後、広告代理店、フォトエィジェンシー勤務を経て現在に至る。

写真集に「ゆびさき」(青幻舎)、「装幀写真」(ナダール書林)、著書に「写真生活手帖」(ピエ・ブックス)、「写真生活手帖~実践編」(ピエ・ブックス)、「女性のためのカメラレッスン」(大泉書店)がある。

 

三橋コータ / Mitsuhashi kota


写真家兼グラフィックデザイナー。
2013年8月 公募セルフポートレイト展 「私がわたしを撮る理由2」にて、投票1位を獲得。
2014年2月 「御苗場Vol.14」にてノミネートを果たす。
5月初の個展「Process colour」を開催。
6月100人のグループ展「Photonico」にてピクトリコ賞を受賞。

所属するWeb Rock Magazin「BEEAST」では、SCANDALや7!!などの人気バンドのライブやインタビュー撮影を担当し、その豊かな表情に迫った写真が多くの反響を呼んでいる。

Website: Connotation
Twitter: @Mitsuwo_928

 

小林義和 / Kobayashi Yoshikazu

「Cafe Gallery 幻」代表。イラストレーター。1978年生まれ。長野県出身、東京都在住。「薔薇十字団」名義でイラストレーター業の傍ら「呪物崇拝」を題とした美術作品を制作。

Website: barajuzidan.com
Twitter: @barajuzidan

 

艶子 / Tsuyako


© Tsuyako

1986年生まれ。東京都出身・在住。自身の精神治癒として高校時代より独学でセルフポートレイト写真を撮り始める。近年では他者との関係性を題材にポートレイトにも着目。2012年7月13日の金曜日「Cafe Gallery 幻」を開店、店長を務める。「私がわたしを撮る理由」企画者。

Website: http://zakuro-13.petit.cc
Facebook: 小林艶子
Twitter: @tsuyako_13film